平成23年9月8日、9月議会(第3回定例会)にて西野議員が一般質問をいたしました。
この記事は、西野議員が行った一般質問の内容を基本に、友の会が議員の意見を取材をし、その趣旨をまとめたものです。
下記のアドレス部分をクリックすると西野議員の質問の様子を録画を紹介するページへジャンプします。
http://www.hino-city.stream.jfit.co.jp/giin_result.php?GIINID=8528
日野市の第5次基本構想・基本計画2020プランが、市民参画によって作成されました。その中に、行政財産の適正な管理と普通財産の有効活用についての記載があります。施策の展開において、公有財産管理支援システムの充実、公共施設のあり方の検討と更新、公共施設の適切な管理がうたわれています。また、第4次行財政改革大綱では、社会資本ストックの更新には公共施設白書が必要であるとしています。
日野市を取り巻く社会の変化は急激に訪れており、これまでの右肩上がりの経済成長と人口増加の時代に作られた、多くの公共施設もいまやその更新時期を迎えようとしています。まず、その施設の現状と、施設の建て替えや改修にかかるコストについて質問をいたしました。
大変大きな費用を必要とする公共施設の更新に対して、早くから警鐘をならし、新たな視点でその対策に取り組んできた近隣自治体もあります。その取り組みの第一歩が「公共施設白書」の作成と言えます。秦野市などの取り組みはNHKなどでも取りあげられ広く知られるところですが、杉並区ではすでに三度も白書を更新し、取り組みを重ねています。日野市の今後の取り組みについて質問をしました。
西野議員からの、公共施設に対するとらえ方の発想の転換をし、しっかりと目的を定め、白書を作成すべきとのご指摘です。答弁にあるように今後、想定される金額は物凄い数字です。これにしっかりと対応するためには、今の予算のあり方、議会での議論のあり方も見直さなければならないと思います。
●土地開発公社の低未利用地の売却や、公有地の有効活用や低未利用地の処分や賃貸を行うべきですが、これに伴いこれまで予算になかった売却益や使用収益も予算項目に加える必要があります。
●国もそうですが、地方も予算をいくらにするかということだけは非常に厳しくチェックされますが、決算についてはもう使ってしまったからとあまり厳しくはありません。これを逆に、予算は概ね概略でやって、決算できちっと締めるというような、民間の事業所と同じ形にすべきと思います。
●これからは施設を人口動態に応じて、二つの施設を一つにするとか、異なる内容の施設を統合する、規模を縮小することも必要だと思います。また、全てを無料で提供するのではなく、原則お金はかかるという形を取らなければならないと思います。
まだまだ難しい問題がありますが、西野議員の指摘をふまえ、白書を通じて努力してまいります。
公共施設の更新は、人口集中が急激に訪れた首都圏のベッドタウンでは、深刻な問題となります。なぜなら昭和40〜50年代の人口急増にあわせて公共施設が集中して作られ、耐用年数を過ぎるその50年後には建て替えの時期がまとまって訪れるからです。
また、自治体の今の予算のあり方では、更新時期の来た施設を付け焼き刃的に補修していたのでは、より深刻な事態を招いてしまいます。
課題全体を把握して、今後の日野市の将来像を予想しつつ、施設の再配置や統合をする必要があります。市民が何を必要としているのか、またニーズの低いものを見極めて、行政サービスのあり方を再検討しなくてはなりません。そして、これまでの自治体としての発想を超えて、次のような新たな取り組みも必要です。
●民間活用(指定管理者制度など)の積極導入
●PFI方式(民間の資金・経営能力・技術力を活用する方式)の活用
●PPP(行政サービスへの民間事業者の参入)の導入
●教育と福祉分野に分かれている幼稚園・保育園の一体化など(認定こども園)、縦割り行政の規制撤廃
市の予算は、基本的には税金・料金・補助金・起債で行われていますが、使用収益や売却益なども加える必要がありますし、市長のご答弁にもありましたように、発想を転換して、予算のあり方を見直すことも必要です。