平成20年6月議会 一般質問について(質問者 西野正人)
この記事は、西野議員が行った一般質問の内容を基本に、友の会が議員の意見を取材をし、その趣旨をまとめたものです。
多摩川緑地野球場の日野市民への門戸開放を実現しよう!
昨年12月議会において「日野市行政区域内における河川敷の利用について問う」として一般質問を行いました。この質問以後、日野市民をはじめ立川市民の方からも賛否両論多くのご意見が寄せられました。
現在立川市が使用している「多摩川緑地野球場」は、敷地の8割が日野市行政区域内にあります。昭和45年に立川市への貸与が決定されたおりには、日野市の利用が明文化されていたのですが、事実上日野市民への貸し出しは無く、平成20年度は2日、しかも4面あるグラウンドの1面のみを日野市の要望により立川市の厚意で利用したものでした。この改善を求めて質問を致しました。
その後の経過をご報告すると、一般質問以降、平成21年度は9日の利用が可能となりました。一歩前進した結果ではありますが、まだ日野市の要請で日野市内の団体に貸し出されているにすぎず、日野市民に広く門戸が開放されているわけではありません。今後さらなる利用拡大を目指し取り組んでまいりますので、日野市民の皆様にも関心をお寄せ頂きたいと思います。
高幡不動尊の2万点の文化財・寺宝を活かそう!
日野市の街づくりにおいて重要なポイントの一つが観光振興です。国の内外からいかに日野市に来ていただくか、日野市の魅力をいかに発信して行くかが問われます。馬場市政下で新選組を一つの柱としてアピールし日野宿本陣をはじめ観光の目玉の整備を進め成果を上げています。
日野市のもう一つの大きな柱はお不動様でしょう。関東三不動の一つであり、起源は平安時代にまでさかのぼります。平安時代に作られた重要文化財の「不動明王像」は有名ですが、他にも数々の重要文化財等を有し、寺宝・文化財は実に2万点に上ります。
現在、高幡不動尊と地域商店街等と協同し、「あじさい祭り」・「たかはたもみじ灯路」・「菊まつり」など様々なイベントが行われていますが、観光の目玉としての文化財の公開・整備・展示への取り組みも必要です。
幸い現在のNPO法人日野市観光協会の理事長は高幡不動尊の貫主であり、「日野市への協力は惜しまない。」と仰って頂いています。高幡を一つのエリアとして捉え、文化財展示・公開の機会を検討し
有効活用すべきです。
自然・文化と親しむ市民の交流・イベントの拠点に!
現在の日野市の体育施設は陸上競技場・南平体育館・市民プール、グラウンド・テニスコートを含めて14施設です。ご存知の通り日野市の体育施設は不足しています。これは革新市政市政下で東京都や国と足並みを揃え会場整備を行うことをに反対して来たからにほかなりません。これまで馬場市政では立ち後れた都市基盤整備を整え幹線道路網もようやく先が見えてきました。そこで、いよいよ日野市にとって待望の体育施設が新設されます。(仮称)市民の森ふれあいホールです。
この施設は仲田公園・市民の森スポーツ公園・甲州街道日野宿と連動させ自然・文化と親しみながら散策することが出来るエリアの形成を目指しています。ですからこれまでの「体育館」という位置付けでなく、市民の交流・イベントの拠点となることを目指しています。平成20年から着工予定で、平成22年6月オープンの予定です。このふれあいホールは平成25年に多摩地域で開催される東京国体で空手道・ボクシングの会場となる予定です。
日野市では「普段着でCO2を減らそう」と題し、市民の皆様に日常生活の中でCO2削減の取り組みを呼びかけています。市民への啓蒙は確かに重要です。しかし、同時に行政ならではの施策が求められます。温暖化の問題は様々な要素が複雑に絡み合い、対応策によっては逆効果になることもあります。
今回の質問で「マイ箸運動」にふれました。この運動の趣旨は、森林の乱伐を防ぎCO2を吸収してくれる森を保護することです。確かに中国産の割り箸は乱伐の原因になっています。しかし、国産の割り箸の殆どが「間伐材」を使っており手入れがおろそかになっている森林の保全にも役立っているのが現実です。放置されている森林は健全な森に比べCO2の吸収率も低くなってしまいます。
かつての日本では里山で自然と共生する生活が営まれていました。人が自然に手を入れ恩恵を受けながら環境を保全し、まさに地産地消の生活を送っていました。
私たちの住む日野市も西には広大な山林が手入れをされず放置され、皮肉にも「花粉症の原因」となっています。このような問題こそ行政が広域的に協同して森林保全と消費をうまくつなぐ仕組みを作り解決するべき問題でしょう。
今回の質問で、日野市で回収された生ゴミを処理する際、現在のクリーンセンターでは単独で消却することが出来るのかをたずねました。実際問題、生ゴミだけでは消却することが出来ないため重油等の補助燃料を使用し一定の温度まで加熱をして消却するとのことです。二酸化炭素削減のために様々な施策を検討しているなか、さらに化石燃料を使用しごみの処理に環境負荷をかけているのが現状です。日野市ではすでにごみ有料化で分別収集を実施し、さらに各家庭で、コンポスト・生ゴミ処理機を使用し、生ゴミの堆肥化に取り組んでいるご家庭も多数いらっしゃいます。循環型社会を目指してさらに堆肥化を進めて行く必要があります。
しかし、生ゴミの堆肥化には近郊都市ならではの住宅事情もあり、現状では頭打ちの状態です。また、生産農家では堆肥には特別に神経を使いますので塩分が多く不均質な生ゴミから作られた堆肥をそのまま畑に使用することは殆どありませんので、家庭菜園やガーデニング等で還元されているにとどまっています。
イノベーションで問題解決の糸口を!
北九州市や東京都江東区では生ゴミからバイオエタノールを生成するプラントを作り、すでに実証実験を行っていますが、これらの新しい取り組みに注意をはらい情報収集につとめる必要があります。クリーンセンターの建替えに向けすでに計画案が作成されていますが、行政として新たな施策の可能性を模索することも大切です。
まずは早期に耐震診断の実施をすべきです!
この度、中国の四川大地震、岩手・宮城内陸地震で被災した方々に心からお悔やみを申し上げます。特に中国では学校で被災した子どもたちの命が多数失われました。この惨状に接し、日野市の学校のご心配をされた方もいらっしゃるかと思います。幸い、日野市においては、市内小中学校の耐震補強は早くから行われ、統廃合を行っている一校を除いて完了しています。
昨年12月議会において日野市庁舎の耐震診断実施を求めて一般質問を行いました。そして、その後の経過をあらためて質問致しました。馬場市長の答弁は、「子ども達やお年寄りを優先すべきであり当分手を付けることが出来ない。」とのことでした。市長の立場、心情からすれば当然とも言える答弁と私も思いますが、市庁舎の役割を考えると「はいそうですか」とは言えません。
市庁舎は多くの市民が日々訪れる場であり、万一災害が発生した場合には救済・復旧の中心基地となります。大規模な大震補強は巨額の予算を必要とするため二の足を踏むのはわかりますが、まずはどれほど危険性があるのか耐震診断を行い把握するべきだと思います。今の日本の技術ならばベルト状の樹脂を柱に巻いて補強する「SRF工法」等、安価で効果のある選択肢もあります。この問題は本当に先延ばしにしても良いのか、市民の間で議論を深め、意見を発信していくべきだと思います。