10月10日から12日に岩手県盛岡市で開催された「第74回全国都市問題会議」に自民クラブメンバーの1人として参加しました。この全国都市問題会議は毎年開催地を変えて行われています。今回は盛岡ということで、10月12日に日野市が災害廃棄物を受け入れている女川町にお伺いし、廃棄物選別処理施設等を視察して参りました。
全国都市問題会議の基調講演は、以前、ニュースステーションに出演していた仙台大学教授であり、東日本大震災復興構想会議委員を務める高成田享氏が「震災復興と都市の役割」についてというテーマで講演されました。その中で「東日本大震災から1年半が過ぎ、早くもその風化が言われている。しかし、被災地を歩くと、震災前の風景に戻った地域もあるが、がれきが撤去されたあとの再建計画が決まらず、空き地になったままのところも多い。震災直後から起きた諸問題はどれだけ教訓として、今後生かされるのであろうか。明日、他の地域で大震災が起きたときに、今回と同じような問題が起きるのではないかと危惧する」という話をされ、「中央集権の限界」、「新しい公共の広がり」、「震災の教訓を生かすには」と続きました。
昨年、震災発生後5回にわたり岩手県大槌町にボランティアとしてお伺いしてお手伝いをさせていただきましたが、今回の講演を聞き、様々な局面で、自分自身も東日本大震災が風化していることに気が付いた次第です。
日野市で災害廃棄物を受け入れている女川町の視察においては、多忙を極めるなか、須田町長とお話をする機会を得ました。その中で、町長は災害廃棄物を年間1,400トン受け入れている日野市民に感謝をされていました。また、廃棄物選別処理施設も視察させて頂きましたが、受け入れ先の市民に万が一の事が無いように万全の体制で作業が行われている様子を確認しました。
しかし、残念なこともありました。それは、災害廃棄物を受け入れている自治体の議員が視察に来るということで、テレビ局が取材に来ましたが、彼らは私たちが放射線等の問題で受け入れを反対している議員であるという認識でした。私たちは今回の視察において女川町の皆さんを信頼し、日野市での受け入れに賛成している市民、また反対している一部の市民に対して、災害廃棄物の安全を伝えるための視察であることを申し述べ、受け入れに賛成し、今後も協力を惜しまないことをメディアに伝えました。
また、翌週の10月19日には須田女川町長が日野市を訪れ、東京都市長会会長の馬場弘融市長と日野市民に感謝の意を申し述べ、さらに、議会にもご挨拶をされ、次の訪問先に向かいました。被災地復興は、原発事故の問題も含め風化させてはなりません。市民の皆さまにおかれましても、風化させること無く、引き続き被災地復興に向けてのご協力をお願いします。
さて、石原都知事が突然辞職され、今後の政局に影響を及ぼすのではないかと思います。そのような状況下で、来年4月には日野市の舵取り役を決める日野市長選挙が行われます。現職の馬場市長は現時点にでは、今後の態度表明をしていませんが、12月議会において何らかの意思表示が行われることと思います。日野市自民党総支部では日野市長選挙候補者の人選を、古賀俊昭都議会議員、前衆議院議員小川友一氏、自民党日野支部所属の6名の市議会議員及び日野総支部事務局長に、先の役員会にて一任されました。現在の状況では、馬場市長の正式な態度表明が行われるまでは、人選に入らないことで一致しています。
本年12月から来年にかけて、噂される衆議院選挙、任期満了による参議院選挙、4月に行われる日野市長選挙と市議会議員補欠選挙また東京都議会議員選挙と多くの選挙が行われます。日野市民の皆さまにおかれましては、棄権することなく大事な1票を未来のために生かして頂きたいと思います。
日野市議会議員 西野正人
平成24年11月1日